腰痛は、男性では1番目、女性でも肩こりに次いで2番目に訴えの多い症状で、
その数は増加傾向にあります(厚生労働省の平成28年国民生活基礎調査)。
腰は、腰椎と呼ばれる5つの骨がブロックのように積み上げられて構成されています。
腰痛の多くは、腰椎に負担がかかったり障害が起きることで発症しますが、
その他にもさまざまな要因が腰痛の発症に関係しています。
私たちの腰痛の考え方
腰痛の原因は、腰に問題にないことがほとんどです。腰に負担がかかってしまっている原因が別の関節に問題があっておこることがほとんどです。肩の可動域が狭い事で、動作に不具合がでることで、その動作が腰痛を招いていることもあります。
腰の骨である腰椎は非常に不安定で、負担がかかりやすい部分です。
そこを守る為には、身体の軸である体幹を安定させる呼吸も密接に関わってきます。
体幹トレーニングを行えば良いというイメージがありますが、体幹を固めたり、筋肉量を増やせば解決するというものではありません。
また腰痛を改善する上では、可動域や体幹の安定などはもちろん、神経パターンを変えていく必要がトレーニングでも重要です。
間違った動作を覚えてしまい、無意識のうちに痛みのでるパターンを覚えてしまうと、腰痛のループから抜け出せなくなる事があります。正しい運動パターンを
トレーニングで無意識的に正しい動作に変換していけるようにしていく事が重要です。そうすれば今後の腰痛防止になり今後傷めることが非常に少なくなり根本解決になります。
私たちの腰痛改善方法
分離と協同
人間の関節には様々な役割があり、様々な方向へたくさん動く関節、安定して動かす関節などがあります。
腰や骨盤など身体の中心部分である体幹は、たくさん動く機能を持ち合わせていません。腰や体幹は安定しておくべき身体の中心部分です。
その安定しておくべき体幹や腰が不安定になっている理由は、一つの例になりますが、股関節という動くべき関節が動かないことにより、可動域をだすために体幹や腰が代償で動いてしまっているケースが多くあります。
あくまで一例ですが、それは股関節だけではなく、肩や背骨など人により様々です。
その役割、「分離と協同」をしっかりとりもどす事で、腰痛を改善する事ができます。この動いていない関節をどこかみつけ出し、正常に戻す事で解決できます。
呼吸法
正しい呼吸を行えていない事により、腰に負担をかけてしまっている場合があります。人はだいたい1日に22,000回ほど呼吸をしていると言われています。その際に呼吸が交感神経が優位になり、自律神経が乱れると呼吸が浅くなります。
呼吸が浅くなると肋骨の位置が崩れ、反り腰になった状態になるケースが多くあります。呼吸する度に、腰が反るのでどんどん腰の筋肉が緊張していき、腰痛を招いているケースがあります。これはいくらマッサージをしても解決する事ができません。呼吸を整える事も非常に重要になります。
脳へのアプローチ
バランス感覚が悪く姿勢不良から反り腰や猫背などから腰に負担がかかっているケースも多くあります。
この場合、弱い筋肉を活性化したり、正しい関節運動を学んでいく事も重要ですが、脳への間違った情報により姿勢不良がおこっている可能性があります。
身体は様々な場所から情報をとり、姿勢をとっています。
その情報が間違っていると、姿勢やバランスをとっている小脳などの不活性がおこり、どれだけトレーニングをしても腰痛がなくならない場合もあります。正しいボディマップを作るトレーニングをする事で、腰痛を解決できる場合もあります。
運動連鎖
動作には運動連鎖というのがあり、ある動きをすると繋がっている筋肉や膜が働き、自動的に関節運動が行われるということがあります。この運動連鎖に対して、重力や慣性というのが働き、生活やスポーツにおける様々な動作で腰に負担をかけてしまっている場合があります。
この重力や慣性に対して負けてしまうと、腰が丸まったり、反った状態で「負荷」がかかるので腰痛を招いてしまいます。
この運動連鎖に問題がある場合は、それを正常化するトレーニングを行う事が、
腰痛改善に繋がります。