防げるケガをどう防ぐ?
2018/11/13
こんにちは。
大阪は、心斎橋、本町、新町近く、西区は北堀江にあるパーソナルトレーニング・ファンクショナルトレーニング特化型コンディショニングジム、AWAKES (アウェイクス)の高嶋です。
前回に「防ぐことのできるケガと防ぐことができない(難しい)ケガ」についてブログでお話しました。
今回は、「防げるケガ」についてもう少し突っ込んでお話したいと思います。
前回、防げるケガは、「他人や物体の影響を受けない状況(環境)であり、自分でコントロール(制御)できるケガ」と定義しました。
では、これはどういうことなのか。
前回、ハムストリングス(もも裏)の肉離れを例に挙げました。
「肉離れ」はたくさんの要因があります。
その中で最大の要因と言われているのが、「筋緊張」です。
もう少し専門的に誤解のないように説明すると、肉離れの多くは「相反抑制の制御(機能)不全による筋緊張(すなわち筋の弛緩不全)の状態において外部の力がかかることにより筋が伸ばされ引き起こされる筋繊維の一部もしくは完全な断裂」です。
ハムストリングスを例にこれを簡単に説明すると、
膝関節が曲がったり(屈曲)、伸びたり(伸展)する為には、膝の前側(もも前)の筋肉と膝の後ろ(もも裏)の筋肉が収縮したり伸張したりする必要があります。
膝が曲がっている時(屈曲時)、もも裏(ハムストリングス)が収縮することで膝は曲がります。
では膝が曲がるとき、もも前の筋肉(大腿四頭筋)はどうならないといけないのでしょうか?
もも前の筋肉は緩まなければいけません。
逆にもも前の筋肉が収縮することで膝は伸展します(まっすぐ伸びる)。
この時、もも裏の筋肉(ハムストリングス)は緩まなければいけません。
これを交互に繰り返す事で膝が曲がったり伸びたりを繰り返します。
関節を曲げる(屈曲する)ためには、屈曲する為の筋肉が収縮し、伸ばす(伸展する)為の筋肉が弛緩すること(すなわち収縮が抑制された状態)が必要という事になります。
収縮する筋肉を「主動筋」、それに相反する弛緩しなければいけない筋肉を「拮抗筋」と言います。
主動筋が収縮すると同時に拮抗筋が弛緩することを「相反抑制」と言います。
歩行において膝の曲げ伸ばしは常に行わていますよね。
では、歩行よりさらにスピードを上げた走っている状態(スプリント)ではこの曲げ伸ばしのスピードも速くなります。
また、曲げ伸ばしの角度も大きくなります。
ですので、膝関節の場合、もも前の筋肉(大腿四頭筋)が縮むと同時に、もも裏の筋肉(ハムストリングス)が緩むことが速いスピードで行われなければ上手く走れません。
この主動筋が収縮している時、拮抗筋の弛緩が上手くなされないと「拮抗筋の肉離れ」が起こります。
よって、肉離れが相反抑制の機能不全が大きな要因であることがわかります。
多くの場合、この「相反抑制」は体性感覚認知の低下や筋神経制御不全で上手く働かないとされています。
ですので、体性感覚や筋神経系の制御能力を向上させてやることができれば、肉離れは防げる可能性が非常に高くなるのです。
私たち、AWAKESでは、様々な脳神経学、運動科学、解剖学などの観点から様々なアプローチを用いることで、体性感覚や筋神経制御を向上するファンクショナルトレーニングを実施しています。
ケガの予防は、科学的根拠に基づいたトレーニング方法で身体を整える、身体を上手く使う、人間が本来持つ機能を取り戻す事によって可能であると私たちは確信しています。
「防げるケガ」でケガをする選手やスポーツを愛する人達が少しでも減るように、私たちは多くの人にコンディショニングトレーニングを提供できればと願っています。