人類のアフリカからの旅立ち
2023/03/04
こんにちは。
大阪市西区北堀江、四ツ橋駅・心斎橋駅近くにあるコンディショニング、ファンクショナルトレーニング特化型のパーソナルジムAWAKESの山本倫也です。
本日のコラムでは、骨と紫外線、ビタミンDの関係について、人類のアフリカからの旅立ちを例に解説させて頂きます。
まず、私たち人類の祖先は数百万年前のアフリカで誕生したと言われております。そして、アフリカから世界中に広がっていきました。その大移動の過程において、人類は異なった環境に適応することが求められました。環境に適応できる特性を持つ人々が選択的に生き残り子孫を残すことができました。結果として、地球上の様々な場所にその環境に適した遺伝子を持った人々が繁栄したと考えられております。
人類が適応を求められた環境の一つが紫外線で、私たちは紫外線の強弱によって異なった肌の色を持つこととなりました。私たちの肌にはメラニンという黄赤色、黒褐色の色素が含まれており、紫外線によって私たちの身体が傷つかないように守ってくれる働きがあります。紫外線には、低緯度であればあるほど強く、高緯度になればなるほど弱くなるという性質があります。これは低緯度地域になればなるほど、紫外線が地表に届くまでに沢山の大気を通過しなくてはならないため、大気で拡散されてしまうためです。人類が誕生したアフリカは紫外線が強い低緯度地域であるため、紫外線から身体を守るためにはより沢山のメラニン色素を持つ必要がありました。
ここで、もうひとつ紫外線に関して考えなくてはいけないことがあります。それは、紫外線の一種であるUVBとビタミンDの関係です。人体において、骨の形成に必要不可欠なビタミンDはUVBを屋外で浴びることによって合成されます。アフリカから飛び出し赤道から離れるにつれて紫外線の量が少なくなりますので、同じ肌の色のままではUVBを十分に吸収することができずにビタミンD不足に陥ってしまいます。そのため、肌の色の薄い人々が選択的に生き残ることになりました。このような紫外線による自然淘汰が、高緯度地域に住む人々が白い肌を持ち、低緯度地域に住む人々が濃い肌の色を持つ理由といえます。
では、自ら適した環境を大きく離れてしまうとどうなってしまうのでしょうか。近代史のなかで、列強ヨーロッパによってアフリカから連れ去られた黒人奴隷達は、紫外線の弱い地域での労働を強いられました。その結果、ビタミンDの合成を十分に行えず、骨が弱くなり曲がってしまう”クル病”にかかってしまったことが知られています。
現代において、科学技術の発達により、生まれ育った環境を離れ、地球上の様々な地域で住むことは容易になりました。しかし、低緯度地域に住む白人達が強い紫外線の対策が必要であること、高緯度地域に住む黒人達がビタミンDの接種が必要であることなど自らの遺伝的特徴と環境のずれを埋める対策が必要です。対策が必要なのは屋外で過ごす時間が少なくなってしまった私たちも例外ではありません。ビタミンDを合成するために必要な紫外線であるUVBは窓ガラスを通過しないことが研究にて示唆されています。時期にもよりますが、15分から30分ほど日に当たれば十分な量のビタミンDを合成できると言われております。もし、どうしても難しい方がいればサプリでとることもひとつの解決策になります。しっかりと日光を浴びて、丈夫な骨を維持したいですね!!
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