熱中症 第五回 「暑さ指数(WBGT)」
2018/07/30
熱中症 第五回 「暑さ指数 (WBGT)」
こんにちは。
大阪は、心斎橋、四ツ橋、堀江にあるパーソナルトレーニング・コンディショニングトレーニングジム、Awakes (アウェイクス)の高嶋です。
今回は熱中症の第五回、「暑さ指数(WBGT)」についてお話ししたいと思います。
暑さ指数とは、湿球黒球温度のことで、WBGT指標と言います。
WBGT指標とは、人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標で、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算します。
WBGT指標は、WBGT温度(℃)で表されます。
WBGTとは英語で、Wet Bulb Globe Temperature の略です。
WBGT指標の使い方
31℃以上= 危険
28~31℃= 厳重警戒
25~28℃= 警戒
25℃未満= 注意
日常生活に関する指針
WBGT指標 | 注意すべき 生活活動の目安 |
注意事項 |
危険(31℃以上) | 全ての生活活動で起こる危険性 | 高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。 外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。 |
厳重注意(28~31℃) | 外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。 | |
警戒(25~28℃) | 中等以上の生活活動で起こる危険性 | 運動や激しい作業をする際は定期的に十分に休息を取り入れる。 |
注意(25℃未満) | 強い生活活動で起こる危険性 | 一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。 |
運動に関する指針
気温(*参考) | WBGT指標 | 熱中症予防運動指針 | |
35℃以上 | 31℃以上 | 運動は原則中止 | 特別の場合以外は運動を中止する。 特に子供の場合は中止すべき。 |
31~35℃ | 28~31℃ | 厳重警戒 (激しい運動は中止) |
熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。 運動する場合には、頻繁に休息をとり、水分・塩分補給を行う。 |
28~31℃ | 25~28℃ | 警戒 (積極的に休息) |
熱中症の危険が増すので、積極的に休息を取り、敵宜、水分・塩分を補給する。 激しい運動では、30分おき位に休息をとる。 |
24~28℃ | 21~25℃ | 注意 (積極的に水分補給) |
熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。 |
24℃未満 | 21℃未満 | ほぼ安全 (適時水分補給) |
通常では熱中症の危険性は少ない。 市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。 |
熱中症の危険性は、単純に気温だけで判断することが難しいです。
WBGT指標を理解し、使用することで熱中症のリスクを大きく軽減できると証明されています。
もし、スポーツイベントの運営者や、部活を管理する学校や管理・監督責任組織は、現場にWBGT計を用意し、毎回、イベントの30分前に計測し、イベント(練習、試合など)を行うかどうかの判断として使用するようにしてください。
WBGT計は4,000円から2万円前後で大手オンラインショップで購入できます。
最悪の事態を避けるためには、決して高い投資ではありません。
知識をしっかり持ち、しっかり対策することで熱中症は防げます。
まだまだ暑い日が続きますが、熱中症予防・対策をしっかり行いましょう。
参考文献:
National Athletic Trainer’s Association: http://nata.org/sites/default/files/white-paper-Exertional-Heat-Illness.pdf
国立環境研究所:www.nies.go.jp/health/HeatStroke/wbgt.html
環境省:https://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/wbgt.html