予防医学とコンディショニング
2019/03/21
こんにちは。
大阪は心斎橋、本町、新町近く、四ッ橋駅から徒歩1分の西区北堀江にあるパーソナルトレーニング・ファンクショナルトレーニング特化型のコンディショニングジム、AWAKES (アウェイクス)の高嶋です。
前回、「現在・未来の健康・医療の考え方と社会環境の変化」についてお話ししました。
前回に続き、健康についての考え方として、今回は、コンディショニングトレーニングと予防医学、そして、現在、未来の医療制度についてお話ししたいと思います。
現在の日本の社会保障における健康に対する考え方は、受動的な事後対応型の医療です。体に不調が起こった後に医療サービスを受け、元の状態へ復帰させる、「対処療法的医療」です。
これは今までの医療制度の基本的な考え方です。
しかしこのままでは少子高齢化による社会保障の財政問題、人口減少による労働人材の確保などの観点から社会保障の維持、経済の発展、国民の豊かさなど国の発展に大きなマイナスを生むことが現実化してきました。
個人の健康保険における医療費負担が3割になったのはもう10年以上も前ですし、現在では高額医療控除制度の見直し検討など、社会保障制度を維持していくために個人への負担増が着実に進んでいます。
国の医療支出は確実に見直しされる時期にきているのです。
一方で、国民の豊かさの充実のためには個人の医療費負担を増やすわけにはいきません。
このような中で、これからの健康のあり方・医療制度を考えた時に、注目されているのが予防医学・予防的健康管理型医療による健康な社会づくりなのです。
その理由は単純にコストパフォーマンスです。
事後対処型医療にかかるコストが莫大なものになっているのに対し、予防医学や健康管理に対するコストが比較的低いということ。
また、予防的健康管理は、費やす時間、精神的充足感におけるパフォーマンス面でも優れているということ。
体調不良になる前に・病気にかかる前に、いかに健康な状態を維持するかにフォーカスした取り組みが、今後、社会にとって、そして個人にとって必要になることは間違いないのです。
運動は昔から健康に対して効果的であると証明されてきました。
しかし、これまで運動というのは一様に語られ、具体的にわかり難かったというのも事実です。
最近では、様々な研究から具体的にどのような運動をすればいいのかが段々と鮮明になってきています。
その中で、コンディショニングトレーニングという概念が生まれました。
コンディショニングトレーニングは「体を整えるための総合的な行動」のことです。
これまでの筋トレ、有酸素運動といった個別の概念ではなく、運動を中核とした総合的な身体の調節・調整によって健康管理を行うものです。
人は様々な外的要因・内的要因によって本来あるべき姿から遠ざかっていきます。
ストレス、運動不足、睡眠不足、暴飲暴食など、体に悪い影響を与える要因はたくさんあります。
コンディショニングトレーニングでは、様々な方法を用いて体を整えていきます。
関節可動域の向上や筋肉の使い方の再教育など、運動を中心とした方法を通じて身体の動き・働きを改善していきます。
これまでの個々のトレーニング理論では説明するのはむずかしく、解剖学、運動生理学、神経生理学、運動力学、栄養学など様々な科学的根拠に基づいた方法を総合的に用いるのがコンディショニングトレーニングの特徴です。
筋力トレーニング、筋緊張緩和トレーニングはもちろん、呼吸法、体性感覚、視覚、固有受容覚、前庭覚など様々な理論的方法を多用して体を整えていきます。
大病や体調を大きく崩すであろう原因に対して、多角的にアプローチすることで未然に怪我や大病を防ぐことを目的としています。
このような観点からコンディショニングトレーニングは予防医学、予防的健康管理なのです。
現状の保険制度では予防医学・医療的行為に対して健康保険・社会保障が適用されることはごく稀なケースです。
しかし、一部では、運動やジムにかかる費用を福利厚生、公共サービスとして積極的に取り入れている企業や自治体も増えてきています。
任意保険においても、ジムや運動への参加を証明する事で保険料の割引をするといったものもあります。
このように、これまで以上に健康に対する予防的考え方が社会に浸透していくのは時間の問題です。
個人にとっても、企業・組織にとっても、行政にとっても、健康であること、病気をしないことがいかに大事なことかと言うことが今まで以上に重要な位置付けになっていくでしょう。
個人レベルでも企業・組織、行政レベルでも、どこに投資するかが、事後処置型医療から予防的健康管理へとシフトしています。
私たちは、社会における医療や健康に対する考え方・あり方について、コンディショニングトレーニングを通じて少しでも多くの人に関心を持ってもらい理解を得る活動を行なっていく必要があると考えています。
これまでは、健康は与えられるサービスとして捉えられてきた側面がありました。
これからは、健康は自ら追い求めて手に入れるものというように考えていかなくてはいけないのかもしれません。
受動的な医療サービスから積極的な健康管理サービスへとシフトさせなくてはいけません。
健康という概念を根本から考え直し、社会全体が予防医学・予防健康管理に関心を持ち、もっと多くの人が運動・トレーニングを通じてより充実したライフスタイルを築けるよう、私たちがやるべきことはまだまだたくさんあると感じています。
多くの人に積極的に健康管理の意識を高めてもらうためには、様々な環境を整えていかなくてはなりません。
私たちができることはコンディショニングトレーニングを通じて充実した環境やサービスを提供することです。
一人でも多くの人に予防医学、コンディショニングトレーニングを理解して頂くために、これからもしっかり活動していきます。